ボッタクリだと後悔しないために。初めてのホームページを業者へ依頼するときにありがちな誤解とは?
ホームページを作れば、きっとビジネスに役立ってくれるはずだ。
あなたもきっとそう思って、プロの制作業者へホームページの依頼をするわけです。
しかし、実はホームページは作っただけでは何も解決してくれません。事業の売上にも店舗への集客にも役立たずです。
その理由は、ホームページを普通に公開しただけでは、アクセスを得られないからです。公開後に、アクセスアップのための集客の努力をコツコツ積み重ねることで、ホームページを見に来る人が少しずつ増えていきます。
これを理解していない人がホームページを業者に頼んで作ってもらうと後悔します。「あんなにお金を払ったのに。ホームページなんて作っても意味がなかった。制作費は、ドブに捨てたのと同じだよ」。
こうした失敗を招かないためには、たとえ業者へ依頼するにしても、ホームページの作り方と運営方法について最低限の知識くらいは身に付けておくべきです。
SEOという言葉があります。聞いたことのある人も多いでしょう。
SEOは、検索エンジンの上位表示のために取り組んでいく対策のことです。
初心者さんはSEOについてこんな勘違いをよくしています。何か設定のようなものがあって、業者へ頼めば、希望の検索キーワードの検索結果で上の方を穫れる。
そんな魔法のようなSEOはありません。SEOとは、検索経由のアクセスを売上に結びつけるための取り組みを総じて指します。
初心者さんの思い込みの中には、業者の営業ワードによって植え付けられているご情報がたくさんです。
ホームページ作成業者:初期費用0円だよ。
あなた:ホームページなんて安いんだ。
SEO業者:500円で検索結果の1ページ目に出るよ。
あなた:SEOなんて簡単なんだ。
今回の記事では、こうした特に初心者さんに多い勘違いを解き明かします。
勘違いを抱えたまま、業者へ依頼してしまわないようぜひ最後まで読んでみてください。間違った知識に振り回されず、納得のいくホームページを実現できます。
SEOなんて簡単。設定があるんでしょ
SEOは簡単。これは誤解です。
真実はこう。SEOは困難。地道な取り組みです。
GoogleやYahoo!の検索結果の表示順位は、非常に重要です。
なぜなら、検索順位がもっともアクセス数に影響するからです。当然、低い位置に出るほどアクセスは減るので、できるだけ上位に表示されることが目標となります。
検索上位表示のテクニックや工夫を総称してSEOと呼びます。SEOに関する情報は検索するとたくさん出てきますが、その中の多くは古かったり間違ったりしているので注意が必要です。
中には、業者が営業目的で簡単に上位表示できるようなことを言っているサイトやブログもあります。だまされないようにしましょう。
SEOに簡単な設定方法はありません。制作会社へ、「あれとこのキーワードでも上に出るようにしておいて」と依頼しても、現実に叶うことはないのです。
いま、SEOとして最も重要なのは、検索利用者を満足させることだといわれています。
検索者が何を期待して検索するか、その期待に答えられる内容を備えたホームページが上位へ表示されるという仕組みになっています。
具体的にどんな内容にすればいいかは、実際に上位表示したいキーワードを検索することで推測できます。
あなたも検索してみましょう。もし、あなたが渋谷で整体院をオープンするとします。検索してほしいキーワードは「整体院 渋谷」としておきます。
「整体院 渋谷」を検索すれば、どんなページがヒットしているかわかりますよ。いまヒットしているページよりも上の順位を目指すなら、それらのページよりもさらに情報的価値に優れたページを作らなければいけません。ここを理解できていない人がたくさんいます。
上位を狙うほど、中身が充実したページを作る必要があります。検索者が、訪れたページにどんな情報があれば満足してくれるのかを具体的に想像するのです。その想像をページ内の情報という現実へ変える作業が、ホームページの内容を考えることにあたります。
SEOに近道はありません。検索経由のお客様を満足させられる中身の充実。SEOでもっとも現実的かつ効果的な取り組み方です。
SEOについては以下でも書いてます。また参考にしてみてください。
デザインさえ良ければアクセスしてもらえる
とにかくデザインにこだわっておけばいい。これは誤解です。
真実はこう。デザインにこだわるのと同じくらい集客について考えておこう。
ホームページにとって、デザインはもちろん重要に決まっています。
しかし、美しいデザインが常に売上に効果的だとは限りません。アクセスアップについてもデザインの美しさがアクセスを増やすことはありません。
ホームページの裏側。仕組みの部分ですね。HTML/CSSと呼ばれる特殊なスキルで作られたデータが、放送局の役割を持つサーバーの中に存在し、それを一般の人がネットを介して閲覧します。
こうした裏側の部分に興味のある初心者さんはあまりいません。多くの初心者さんは、制作会社へ丸投げです。
一方で、ホームページの表側。デザインにこだわる人は初心者さんでもたくさんいます。見えやすく、人によっての好みが大きく影響する部分です。制作が始まる前に参考にできそうなホームページのデザインを収集し、制作途中はデザイナーへ細かな指示を与える人も多いです。
さすがに先にあげた仕組みの部分を理解するのは初心者さんにとって難しいのは事実。だから制作会社へ任せておくのは間違った方法ではありません。
しかし、集客方法についてはデザインと同じくらいしっかり考えておきましょう。集客方法とは、ホームページのアクセスを増やす方法です。何を利用してホームページを人に見てもらうのか。制作の前に考えている人は特に初心者さんを取り上げると、ほぼ皆無です。
集客方法を考えるのは、おしゃれなデザインを見比べるのと比較して退屈で難しい。それは事実なのですが、ホームページを売上に結びつけるには、なによりまずアクセスが必要です。
デザインの美しさは、見る人がいて初めて伝わります。極端に言い換えれば、アクセスがあるまでは、デザインの良さなんてどうでもいいのです。
ホームページのアクセスを得るためには、SEO、広告、SNSなどを駆使します。各集客方法でターゲットや広告費が違います。これから作るホームページのターゲットや商材に合わせた適切な集客方法を考えておく必要があります。
でなければ、せっかくお金をかけて作った自慢の美しいホームページ。誰にも見てもらえない寂しい結果になってしまいます。
デザインについては以下の記事でも書いてます。また参考にしてみてください。
ホームページを作るのは難しい。高い。
ホームページを作るのは難しい。高い。これは誤解です。
真実はこう。実は、名刺代わり程度のホームページなら簡単に無料でも作れる。
ホームページを作る動機は人それぞれです。
自己満足、自社満足のため大きなお金をかけたリニューアル。お問い合わせ1.5倍を目指したキャンペーン用のホームページ。自社スタッフで情報発信できる更新型ホームページへの仕様変更。などなど。
こうした明確な目的があり、そのための予算もしっかり確保できる場合は、制作会社へ発注するべき理由があるといえるでしょう。
しかし、その一方でこういう目的にホームページもあります。
- 会社の場所や連絡先がわかればいい
- 店舗で提供しているメニューと店舗までのアクセス方法がわかればいい
- 個人の趣味。ムエタイについて調べたことを綴りたい
- 作家、画家、写真家の作品集を載せるポートフォリオ
このような積極的にアクセスアップを狙わないホームページを名刺代わりのホームページと呼ぶことにします。
名刺代わりのホームページでいいなら、わざわざ高いお金を出して業者へ発注する必要はありません。
いまこのページを見ているブラウザで簡単にホームページを作れるサービスがあるからです。
作り方はこうです。あらかじめデザインされたテンプレートの中から好みの一つを選びます。文字や写真を入れ替えれば、あなたのホームページができあがります。
利用料金は無料のものもあります。
例えば店舗用のホームページを作る前提のグーペなんて、使いやすいですよ。お店の雰囲気に合うデザインを選びましょう。それだけで完成。メニュー表示や地図機能などお店のホームページに必須の機能が揃っています。
こんなに簡単!店舗向けホームページがすぐ始められる「グーペ」
WIXなら会社の顔として恥ずかしくないデザインのホームページを作れます。フリーランスのクリエイターさんでも満足できるおしゃれなテンプレートも見つかります。
会社・企業・フリーランス(個人事業)向け ホームページ作成サービス WIX
初めてホームページを業者へ依頼する前の予習用としても、こうしたHP作成サービスは活躍します。一度でも、ホームページを作っておけば、業者へ発注時に必要となる制作担当者との話し合いや交渉を有利に進められますね。
ホームページを作れば勝手にアクセスが増える
ホームページを開けば自然とアクセスが増える。これは誤解です。
真実はこう。努力しない限りアクセスは増えない。
SEOとデザインのところでもお話していますが、重要な事なのでもう一度書いておきます。
ホームページを開設しただけで売上がアップすることは、本当にないです。ネットが登場して間もない頃、ホームページの数が少ない時代はあったかもしれませんが……
ホームページも実店舗と同じだということを肝に命じておきましょう。新装開店したホームページの存在を知る人はいません。Googleにも見つけてもらえません。
- SEO対策
- インターネット上での広告配信
- SNSを利用した情報発信
- メールマガジンの発行
- 他のサイトやブログで取り上げてもらうこと
こうした露出の機会を自ら増やすために取り組まない限りは、アクセス0の日々が恐いくらいに続きますよ。
「せっかく高いお金を払ったのに、何も効果がないじゃないか!」と文句を言い出す人もいます。
しかし、アクセスが増えない原因は、運営者にもあります。
ホームページの制作会社は、例えるなら大工さんです。リアルなお店をオープンするとき、内装業者に開店後のお客さんの集まりが悪いことで文句を言う人はいません(よね?)。
内装業者はあくまで店内を使いやすく美しく作り上げてくれる業者です。集客のための努力は店長さんが自分で取り組んでいかなければいけません。
ホームページ作成業者は、内装業者とよく似ています。ホームページを見やすく、使いやすく作ってくれます。その中に検索へヒットしやすい仕組みづくりも入っています。しかし、それだけでは不十分。完成後、ヒットさせたいキーワードに対して追加でSEOが必要です。
店舗経営の場合と同じようにホームページにも集客屋がいます。広告代理店やSEO業者がそれにあたります。自分で集客に取り組むことが専門知識の不足や手間の面で無理なら、集客専門の業者へ任せることもできます。ただ、その場合は当然費用の発生があります。
集客には手間、暇、お金がいるわけです。ホームページを開設することをゴールにせず。開設後のホームページを、どのように売上に役立てていくかを事前に考えておきましょう。
ホームページの集客については以下でも書いてます。また参考にしてみてください。
スマホ用のホームページはまだいらない
スマホ対策はまだ先でいいかな。これは誤解です。
真実はこう。いまこそスマホ対応のタイミングです。
スマートフォンの保有率が全体人口の8割を占める今、ホームページの閲覧はパソコンからではなく、スマートフォンからのアクセスが大半を締めます。
パソコンとスマートフォンでは操作性が大きく異なります。スマートフォンではホームページの表示領域が限られており、マウスではなく指で感覚的に操作するため、パソコン用のホームページをそのままスマートフォンで表示するととても見づらい・使いづらい結果になります。
それを解決する方法で、最近主流なテクニックがレスポンシブデザインです。
レスポンシブデザインは、一つのホームページが画面幅によってレイアウトが変化するデザインです。一つのホームページでPC、タブレット、スマホまで大きな画面から小さな画面で対応できるので以下のメリットがあります。
- 管理・運営が効率化できる
- 制作作業が効率化できる
ただ、注意したいのは、PC向け、スマホ向けとデザインを考えると、どうしても両方へベストなデザインにしたくなってきます。
レスポンシブデザインの場合も同じで、一つのホームページとはいえ、PCとスマホで変わるデザインを、それぞれから見ていると、PCではロゴをこの位置に、スマホではこの写真をもっと大きく、というようにデバイスごとに細々とした要望が気持ちの中に出てきます。
しかし、その細かな要望を突き詰めていってしまうと、結局はPCとスマホのそれぞれでデザインを作るのと同じ労力と費用がいります。レスポンシブデザインの最も大きなメリットである「効率化」を失ってしまいます。
レスポンシブデザインは、極端にいえば、割り切るためのデザインです。一つのホームページで効率的に様々なデバイスからアクセスしてくるお客さんたちに対応するには、兼用デザインとして割り切らなければいけない部分があります。
妥協と言い換えてもいいでしょう。もし、この妥協がうまくできないのであれば、PC、スマホの両方でそれぞれ個別のデザインを作りましょう。レスポンシブデザインのまま、PCとスマホを分けて最適な状態を目指すと、逆に面倒な作業が増えます。
もっとも望まれるのは、レスポンシブデザインを採用するとき、どのようなことができる/できないのか、レスポンシブデザインのメリット/デメリットを事前に制作会社と話し合っておくことです。
そうすることで、融通が効かない部分がでてきても納得できます。レスポンシブデザインで、アナタの要望に対して「できない」の返事が制作側からあったとき、それは「やりたくない」を意味しているわけではありません。専門的で理解が難しい理由があるかもしれませんが、質問してみましょう。納得のいく答えを得られるはずです。
安いサーバーが得
レンタルサーバーは安い方がランニングコストの節約につながる。これは誤解です。
真実はこう。安いレンタルサーバーは、維持する手間の面で消耗するリスクがある。
レンタルサーバーの料金がますます安くなっていきます。
月額制のホームページ作成サービスでは、毎月のランニングコストが懐に痛く、少しでも維持費を軽減したいからといって、格安のレンタルサーバーをチョイスする人がいます。
このとき以下の2点の注意が必要です。
- レンタルサーバーは自己管理が前提
- レンタルサーバーの処理能力は料金に比例する
自前で用意したレンタルサーバーでホームページを運営していく場合は、何が起きても自己責任です。
サーバーの稼働状況に障害が発生したらホームページは見られなくなります。ハッキングされたり、ウイルスに感染したりすると、自分で解決の策を考える必要があります。
安さを理由に、格安サーバーをレンタルする場合は、サーバーの機能性に注意しましょう。最近はWordPressでホームページを作りたい人が増えています。WordPressは「重い」システムです。処理能力が低いレンタルサーバーだと挙動が悪く、管理画面が使いづらかったり、ホームページの表示が遅かったりという弊害があります。
レンタルサーバーは移転も可能です、初心者にとっては難しい作業です。将来的に長く使い続けるホームページほど、ある程度のコストをかけて安定性が高く処理能力にも優れたレンタルサーバーを選びましょう。
おすすめはエックスサーバーです。
初心者さんが苦手なセキュリティ関連の設定も管理画面からできます。自動でバックアップを残してくれる機能も頼もしいです。ホームページを安全に安心して運営していく機能が揃っています。
見積では「できるだけ安く」と伝えればいい
業者へ発注する前の見積。できるだけ安くと伝えれば、いい感じに見積もってくれる。これは誤解です。
真実はこう。業者の立場からすると、できるだけ安くと言われると、実は見積ができません。
業者へ見積もりを依頼するとき「予算はできるだけ安く」は禁句。
もちろん、制作にかける費用をできるだけ安くしたいという気持ちは当然。それを罪だなんて否定しているわけではないですよ。
ただ、理解してほしいのは、ある程度の予算をおうかがいしないとベストなお見積ができないことです。
先にも挙げたように、ホームページはもう無料でも作れる時代です。素人さんが作ったホームページでも、外から見れば、まるでプロが作ったかのようなかっこいいデザインです。
つまり、「できるだけ安く」といわれたら、答えは「タダでもできる」になってしまうわけです。
そこで考えなければいけないのは、何を制作会社へ期待しているのか、ということです。単に作るだけなら、以下のページで紹介しているサービスを使えば1日でできます。
制作会社へ高いお金を払うわけですから、「業者にしかできないこと」が何かを事前に検討しておくといいですね。それを要望として予算と一緒に告げましょう。そうすることで、制作会社は予算の範囲でベストなホームページの作り方を提案してくれるはずです。
予算の建て方がわからない? それなら目標の売上を出発点として考えてみましょう。
月間の目標売上が30万円とします。
ホームページは、開設直後で売上が生じることはほぼありません。一定の売上をクリア出来るようになるまでには最低でも半年くらいを覚悟します。その半年間は、売上が出ないのにも関わらず、アクセスアップや広告、またホームページの中身の更新にお金や手間がかかります。
こうして考えると半年間は利益が出ないどころか赤字です。上場企業のように運転資金に余裕があればいいですが、自営業や小規模な中小企業の場合は、そこまでのお金はないでしょう。
だから、制作費を回収するための期間を1から2ヶ月くらいの短いスパンで計画します。半年間、売上のめどがたたなくても、半年後の1,2ヶ月で制作費を回収します。
ホームページの維持費はドメイン・サーバー代くらいです。集客に広告宣伝費やSEO料をかけているなら、その分毎月定額でかかる費用は増えますが、実店舗のことを考えると、ホームページのランニングコストは少なく済みます。
制作費を改修後の売上は、そのまま黒字へと変わってくれます。
この考え方でいくと、月の売上の目標が30万円なら、制作費の予算は30〜60万円。一応でも予算の設定ができれば、業者選びやどんなホームページを作るのか、かなり具体的に検討できるはずです。
予算については以下の記事でも書いているのでまた参考にしてみてください。
初心者さんが業者へホームページを依頼するときの勘違い まとめ
制作会社へ見積もりを依頼するとき、また実際に制作案件が始まり制作担当者とヒアリングを重ねるときなど、上記で挙げた注意点をもう一度確認してみてください。
制作前の話し合いや交渉の時点で、余計な勘違いや思い込みに縛られてしまうと、制作が思ったとおりの方向へ進まない失敗を招きます。
それを避けるには、依頼側も最低限の知識の準備は必要です。ネットを検索すると、間違った情報も多いので、理解が難しいことは遠慮せずに制作側へ質問し、必ず明らかにしていきながら進めていきましょう。